図説 地図とあらすじでわかる!古事記と日本書紀 (青春新書INTELLIGENCE) (青春新書INTELLIGENCE 222)

  • 青春出版社 (2009年1月7日発売)
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本棚登録 : 473
感想 : 57
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「古事記」と「日本書紀」の内容を、分かりやすく地図や系図とともに解説してあります。
大和朝廷(天皇)の始まりの神話あたりから、聖徳太子の時代を経て壬申の乱までが、古事記・日本書紀にどのように書いてあるかが分かります。

古代史には興味があるけれども古典は苦手な私には とても良かった本でした。
中学校の歴史では、神話ではなくはっきりと歴史的な裏付けがある事実からしか教えないので、古事記・日本書紀に書かれていることと、中国の歴史書に書かれていることが一致していることを“歴史的事実”ととらえ、教科書に載せているようです。
例えば中学校の歴史では、第1回の遣隋使は聖徳太子が小野妹子を派遣した607年となっていて、日本書紀にもそう書かれているけれども、中国の歴史書によるとそれより以前に1度来ているらしい。
でもその時、朝廷側の準備不足で、中国側にほとんど相手にされず、ぶざまに引き返していて、朝廷としては恥ずかしいから記録に残さなかったのではないかということです。
おもしろい裏話です。
朝廷内の権力争いは、とにかくすさまじい。
それから、どこの国・民族の古代史でも、やはり女性の影の力が政治を動かしてきた感じがします。古代人の女性に対する畏怖の表れか、女性器についての記述が多いのも不思議な感じがします。
面白かったです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新書
感想投稿日 : 2019年10月5日
読了日 : 2019年10月5日
本棚登録日 : 2019年10月5日

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