主人公は小学6年の女の子、田中花実。
働き者のお母さんと二人暮らし。
貧乏で壮絶な節約っぷりは、普通に考えると切ない程だが、この母は底抜けに明るい。
この母の名言(?)が色々あって面白いので、ちょっと紹介を。
“人からもらった食べ物はすぐ食え。後で返せとわ言われないうちに”
“死にたいくらい悲しい事があったら、とりあえずメシを食え。そして一食食ったら、その一食分だけ生きてみろ。それでまた腹が減ったら、一食食べて、その一食分生きるんだ。そうやって命を繋いでいくんだよ。”
食べることに執着している母の名言は、食にまつわるものばかり。
面白おかしく話しているが、深いのです…
毎日大笑いし、大食らいし、生きていることに感謝している母を、娘の視点から尊敬と愛を込めて描いている。
貧乏であっても心は豊かで、余裕があるように感じる。
素敵です。
そしてこの作品を読んだ自分は改めて、当たり前に毎日ご飯を食べられること、生きていることに気付かされ、ハッとする。
この作品は5編からなる連作。
私は「花も実もある」と表題作の「さよなら、田中さん」が好き。
この本、さてさてさんのレビューで知りました。
そしてこの本が出版されたとき、著者は中学生というから驚き!
読み始めは“中学生”と言うことが頭にあったけど、すぐにそんな事は忘れる程、面白かった。
他にも作品があるようなので、是非読んでみたいと思います。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
2022
- 感想投稿日 : 2022年7月6日
- 読了日 : 2022年7月6日
- 本棚登録日 : 2022年6月12日
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コメント 3件
さてさてさんのコメント
2022/07/06
aoi-soraさんのコメント
2022/07/06
しのちゃんさんのコメント
2022/07/17