犯罪を描いたこの物語
登場人物たちがするすると吐き出す嘘の数々
その度に胸が締め付けられ、そして愛おしくてたまらない
大学生の春風が引ったくりを目撃し、犯人を追いかけていると、通りかかった学ラン少年も追跡に加わる。
そんな場面から始まる物語は、青春ストーリー?
それとも学園ミステリ?
といった雰囲気。
ずいぶんと足の速い二人は、とっても魅力的なキャラで良いコンビ。
これからも軽やかに展開する予感……?
しかし第二章
同じ大学生の理緒が登場すると、ガラリと雰囲気は変わる。
理緒の妹と母親。
学ラン少年(錬)の弟と妹、母親、更に錬の隣人で友人の正人などが登場し、どんどん厚みを増していく。
そして最初はバラバラだったものが、次々と繋がっていく気持ち良さ。
今までの、これからの、全ての言動や描写に意味があり伏線なのだと気付き、音を立てて嵌っていく。
でも題材が犯罪なだけに、苦しく辛い場面も多い。
特に子どもたちを巻き込む犯罪は悲しい。
どうかあちら側の世界へ行かないで!
錬、あなたは一人じゃない。
もう一人で戦わなくていいんだよ。
ぎゅっと抱きしめたい……
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本文学
- 感想投稿日 : 2024年3月15日
- 読了日 : 2024年3月15日
- 本棚登録日 : 2024年3月15日
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コメント 4件
Manideさんのコメント
2024/03/17
aoi-soraさんのコメント
2024/03/17
Manideさんのコメント
2024/03/17
aoi-soraさんのコメント
2024/03/17