図書館で「スイミー」と並んでいたこの本
スイミーの淡い色彩とは対照的で、どこかエキゾチックでダーク
そして不穏な空気を感じる
平和で穏やかに暮らしていた、森の野ねずみたち。
ある日まちねずみから「マルディ・グラ」の話を聞く。
(マルディ・グラとは仮面舞踏会やパレード等が行われる盛大なカーニバル)
すっかり話に夢中になった野ねずみたちは、
「ぼくらも、マルディ・グラを やろう!」
と、飾りつけや仮面をつくって準備する。
その仮面は、猛々しく恐ろしい獣の仮面だった…
さぁ、いよいよマルディ・グラだ!
ところが仮面をつけた彼らは、次第に自分たちがねずみであることを忘れ、歌も踊りも忘れ、本当に恐ろしい獣だと思い込んでいく。
それからは、憎しみと疑いの渦巻く毎日となってしまう…
そう、この本の副題は、
「かめんに とりつかれた ねずみの はなし」
うわぁ~、コワイ!
これは我々人間の醜い一面を指しているのではないか?
武装すれば争える。
顔出ししなければ相手を傷付ける言葉を吐ける。
そして題名「みどりの しっぽの ねずみ」って何?
マルディ・グラでしっぽを塗ったねずみがいるのだが、その後どうしても色が落ちない。
これは、起きてしまった事実は決して消えない。
愚かな出来事を忘れるな。
ということでしょうか?
ちなみにこの本の絵は、油彩だそう。
作品全体に漂う不穏な空気を、より重たく感じる気がする。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
絵本
- 感想投稿日 : 2024年2月4日
- 読了日 : 2024年2月4日
- 本棚登録日 : 2024年2月4日
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コメント 2件
たださんのコメント
2024/02/04
aoi-soraさんのコメント
2024/02/04