ヘンな日本美術史

著者 :
  • 祥伝社 (2012年11月1日発売)
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本棚登録 : 1566
感想 : 158
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*「こういう絵は面白くない」というような批判が多くて少々気分が悪くなり、私も気を付けないとな、と思った。ただ、著者自身が現役の絵描きなので、描きもしないで文句を言う批評家とは違うのです。ご自分でも「他人をくさしてばかりですみません、でも言ったことは自分に返ってくると思っているので、要するに自分への叱咤なのです」と書いている。ますます、私こそ気を付けないといけないのであった。
*著者的に好きな(または気になる)絵を時代順に紹介しているので、必ずしも「有名で代表的な名画」ばかりではない。面白い作品を色々知ることができた。
*前書きに、「時代順に並べただけで日本美術史とは、ヘンな本だな、と思ってください」という記述があって、なかなか良いコメントだと思う。実際並べただけで、後期なんとか派の影響がどうとかそういうことを語ろうとはしていないのだが、ただ、近代化(西洋化)による迷走についてはかなりこだわりがあるようで、そこんところはアツい。全ての章はそれを語るためにある、と思うと、もうじゅうぶんひとつの「日本美術史」本だと思う。
*芸術論としては、別に専門用語を使いまくってるとかそういうことはないのだが、なんとなく匂いくらいしか理解できなかった。キャッチできるだけの観賞眼が私にはなかったと思われます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: なるほど系
感想投稿日 : 2013年12月21日
読了日 : 2013年12月17日
本棚登録日 : 2013年12月17日

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