知識ゼロから学ぶソフトウェアプロジェクト管理: なぜほとんどのソフトウェア開発は失敗するか

著者 :
  • 翔泳社 (2012年5月1日発売)
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本棚登録 : 92
感想 : 12
5

デスマーチに陥っているすべてのプロジェクトマネージャーが読むべき本です。

勝呂 暖生は、ペンネームだそうです。たぶん、あの人ですね。

 ・ 推薦の言葉を書いているのが榊原彰さん
 ・ 米マイクロソフト、独SAPを経て、国内大手メーカー勤務の情報工学博士
 ・ ペンネームの勝呂を、一文字ずらし"Suguro" → "Tvhvsp"、
  一文字おきにとると"THS"
 ・ ペンネームの暖生(はるき)は、、、男性かな
 ・ 表紙の色が同じ
 ・ 意外とラフ
  (たとえば、86ページに「家の全てのドアノブは左についてなければならない」
  ってあるけど、そんなことないよー。だいたい、外から見て左についていたとしても、
  中から見たら右についているってことですし)

生年月日の1968年は、、、うーん、せっかくだから4年サバ読んだのでしょう。ww

★★★

私が特に気に入ったのは、品質特性の作り込みの説明です。

 > 機能要求のの項目の場合はストレートにブレークダウンされて
 > いくのに対して、非機能要求(品質特性)の場合は要求フェーズで
 > うまく定義されたとしても、アーキテクチャのどこで展開され、
 > さらにUMLでどうやって設計され、どうソースコードにおとされて
 > いくかの予想がまるでつきません(言い過ぎかもしれないですけど)。

これを認識してプロジェクトマネジメントするのとしないとでは大きく差があるのですよね。また、じゃあどうすればよいの?という点について、

 > 筆者の独自の考えは非常に大胆で怒られるかもしれませんが、
 > まぁどんなソフトウェアでもアーキテクチャ段階でしっかり考えなければ
 > ならない品質特性は、機密性(security)、信頼性(reliability)、
 > それに加えてパフォーマンス(efficient)ではないでしょうか。

と具体的に特別扱いすべき品質特性(パースペクティブといった方が良いかも)をアドバイスしています。

本書、全体を通じて言えることは、現場で発生しがちな問題点と、膨大な論文を背景とした理論と、筆者の親身なアドバイスがセットになって提供されていることです。

もちろん、テスト関係の話題も豊富なので、そちら方面の方も是非一読されることを、いや、何度も読み返すことをお勧めします。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ソフトウェア
感想投稿日 : 2012年6月29日
読了日 : 2012年6月29日
本棚登録日 : 2012年6月29日

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