十蘭ビブリオマーヌ (河出文庫 ひ 8-6)

著者 :
  • 河出書房新社 (2012年12月5日発売)
3.80
  • (3)
  • (2)
  • (5)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 71
感想 : 5
3

フラットな視点で描かれた歴史物の佳作を多数収録。ドキュメンタリータッチの凝った文体に、「さすが手練れよのう」としみじみ。あとがきを読んでていておやと思ったのは、十蘭がGHQの閲覧コードを把握していた節がある、ということ。だとしたら情報提供者は誰だったんだろう。そこらへんの謎も大いに気になる。
・「レカミエー夫人」:現代のこじらせ女子を先どりしたようなユーモアたっぷりの物語が面白い。
・「あめりか物語」:十蘭らしいシニカルな視点が冴えている。無慈悲なまでにクールな結末もいっそ潔い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 久生十蘭
感想投稿日 : 2013年3月20日
読了日 : 2013年3月20日
本棚登録日 : 2013年3月20日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする