ソローと漱石の森: 環境文学のまなざし

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  • NHK出版 (1999年6月1日発売)
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感想 : 3

個人の内面や社会における個々の人間関係は「量子の雲」のように不確定だ、というところにナルホドと思った。
その外側を、古典力学の原理で分析・予測できるような、合理的・個人主義的な「主体」観念や共同体のルールが取り囲んでいるが、さらにその外側には、相対論と生態学をもとにした「宇宙個の論理」および「環境律」を構想するべきである…というのがこの本の主張かな。そのために、日本古来の「じねん(自然)」という概念が有効であろう、と。

ソローと漱石「について」の本というより、ソローや漱石との触れ合いを通して著者が至った哲学に、読者を導く本という感じ。
読んでいると、森にでかけたくなる。(自分は9割がたインドア系なのだけど。)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 昔レビューを書いた本
感想投稿日 : 2011年6月1日
読了日 : -
本棚登録日 : 2011年6月1日

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