退職金は何もしないと消えていく 60歳から「経済的自由」を手にする投資勉強法 (講談社+α新書)

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  • 講談社 (2008年11月21日発売)
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退職後のリスクとして、以下の5つのリスクがあると説明されています。

(1)長生きするリスク
当たり前といえば当たり前ですが、平均寿命というのは0歳の子供のの平均寿命であり、実際には平均余命で考えなければいけないということです。ちなみに平成19年の平均寿命は男79.2歳、女85.6歳ですが、65歳における平均余命は男18.6年、女23.6年だそうです。
(2)退職後の生活費が減らないというリスク
退職者にアンケートを取ったところ、退職前は多くの人が退職後は生活費が減ると予想していたのに対して、個人差はあるものの全体平均で見るとほとんど減らないというのが実際のようです。これは私も減ると思っていたので、考えが甘かったようです。
(3)インフレのリスク
今まではデフレの時代が続いていましたが、アベノミクスで2年後の2%インフレというのが具体的な姿として見えてきていて、また一部にはインフレをコントロールできなくなる可能性や、国の財政危機から長期金利が上がってインフレになる可能性を言っている人もいるので、退職後の長期期間を考えるとインフレというのは決して無視できないものです
(4)引き出しすぎのリスク
 これはリスク資産に対してですが、毎月定額引き出していると収益率の悪い時に元本を減らす比率が高くなるということです。本書には書かれていませんが、ネットでは定率で引き出していくということ提唱している方もいます。
(5)偏った資産構成のリスク
日本人の資産構成は、欧米に比べて預貯金の比率が非常に高いということで、そうするとインフレに対して弱いということを言っています。

これらのリスクに対してどうしたら良いかということですが、一言で言うともう少しリスク資産比率を高めた方が良いということを言ってますが、その他に地方移住して生活費を減らすというような提案もされています。

特に目新しいことはありませんが、退職後のお金についてあまり考えたことがなかった人が読むには良いかもしれません。ただ本書だけでなく、お金に関する良書(悪書は百害あって一利無し)をいろいろ読んで、幅広い知識を得た上で自分でどうすれば良いかを判断すべきと思います。なお本書が良書か悪書かと言ったら、良書に含まれると思いますが、内容的には物足りなさもあり、★は3とさせてもらっています。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 経済/資産運用
感想投稿日 : 2013年5月6日
読了日 : 2013年5月6日
本棚登録日 : 2013年5月6日

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