がまくら市という架空都市の舞台を各作家たちがシェアして描かれた作品集
伊坂さん目当てで購入して読んだ。
想像以上におもしろかった。
道尾秀介さんの作品が最初でよかったと思う。
多視点で描かれていてミステリーとして楽しめたし、
伏線や環境設定も詳しく描かれていたので、その後の
ほかの作家の作品へのリンクが見つけやすくなっていたと思う。
伊坂作品も登場人物の少なさ、限定された環境の中でもさらに狭い環境でキャラを立たせてすごいと思った。
大山さんの密室ものも不可能犯罪係という部署を設けて真知博士という人物が登場し、その後にも顔を見せておもしろい。
福田さんの「大黒天」はそれの真実を求める姉弟の話でいまいち入り込めなかったが、最後にこれまでの話とのつながりが見えたのがうれしかった。
伯方さんの作品は、格闘技ということで正直興味をもてずにいたが、読み進めていくうちにミステリー感がでてきた。
ただ銅像を動かす方法の部分はこれしかないという力技だったのが、笑ってしまえた。
とにかくこのような設定の作品集は初めて読んだが、
とてもおもしろかった。
リレー連載なのか環境や物語の一部、キャラクターをシェアするというのがよかったと思う。
2作目を買って読もうか迷う。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2015年1月10日
- 読了日 : 2015年1月10日
- 本棚登録日 : 2014年12月31日
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