真面目な人に怒られそう、というExcel大先生のコメントがカバーにあるけれど、確かに純ミリタリオタは結構怒りそうではある。漫画パートの9割がキツめの下ネタだし……。
これだけならタダのイロモノなのだが、しかし、これに内田先生の緻密な独ソ戦の説明が加わることで一級品の戦争解説書に化けている。当時の各国の政治・経済状況から、軍内部の事情、占領地や同盟国の配置、作戦における攻撃場所や戦略の詳細などが、文章と地図とイラストでひたすらに書き殴ってある。そこら辺の専門書より詳しいんじゃないだろうか。これ一冊で、日本人にはあまり馴染みのない独ソ戦の知識がほとんど回収できると思う。
また、内田先生の言うとおり、独ソ戦は史上稀に見る泥仕合であっただけに、戦争の行き着く先というものを、核戦争とは違った角度で我々に教えてくれるものだとも思う。カテゴリを戦争論にしたのも、こうした事実背景を確認することで、国家論や倫理学がさらに進化するだろうという意図を込めてだ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
戦争論
- 感想投稿日 : 2015年2月6日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2015年2月6日
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