約束の森

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012年3月1日発売)
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本棚登録 : 248
感想 : 61
5

ハードボイルドだけどアクションばかりじゃない、
人と人とのつながり、人と動物との絆を、
これでもかというほど感じられる作品でした。

元警察官の奥野侑也は、妻を殺人事件で亡くして退職し、
孤独に暮らしていたが、かつての上司から頼まれて
北のさびれた土地でモウテルの管理人を務めます。
そして、内密な命令をうけ、
そこで2人の若い男女と家族を装いながら、暮らし始めました。
暗い過去がありそうな娘役のふみと息子役の隼人。
ふみが連れて来た白いオウムのどんちゃん。
そして侑也が頼まれてひきとった
心も身体も傷ついたドーベルマンのマクナイトも一緒に生活をはじめ、
傷心の偽装一家の毎日が平穏に流れていくなか、
ある事件がおこります・・・。

主人公の侑也とドーベルマンのマクナイト。
人間に裏切られた大型犬の心を
傷心の孤独な男が寄り添うことで、掴んでいきます。
人と動物の繋がりってこうなんだ、と思いました。
人の命令に忠実な警察犬になり損ねたマクナイトですが、
実は本気をだせば、
人を守ることには絶対の強さがある優秀な犬でした。
その素質を見抜けた侑也だからこそ、
マクナイトも徐々に心を開いていったのでしょう。

ふみと隼人も同様です。
お互いの心の傷をぶちまけたとき、
家族以上の絆が結ばれのだと思いました。

どちらかというとネコ派の私ですが、
犬ってこんなにも、忠実で、寂しがり屋なんだとほろりとしました。
犬好きの方にはぜひ読んでもらいたいと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年3月3日
読了日 : 2015年3月3日
本棚登録日 : 2015年3月3日

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