ハードボイルドだけどアクションばかりじゃない、
人と人とのつながり、人と動物との絆を、
これでもかというほど感じられる作品でした。
元警察官の奥野侑也は、妻を殺人事件で亡くして退職し、
孤独に暮らしていたが、かつての上司から頼まれて
北のさびれた土地でモウテルの管理人を務めます。
そして、内密な命令をうけ、
そこで2人の若い男女と家族を装いながら、暮らし始めました。
暗い過去がありそうな娘役のふみと息子役の隼人。
ふみが連れて来た白いオウムのどんちゃん。
そして侑也が頼まれてひきとった
心も身体も傷ついたドーベルマンのマクナイトも一緒に生活をはじめ、
傷心の偽装一家の毎日が平穏に流れていくなか、
ある事件がおこります・・・。
主人公の侑也とドーベルマンのマクナイト。
人間に裏切られた大型犬の心を
傷心の孤独な男が寄り添うことで、掴んでいきます。
人と動物の繋がりってこうなんだ、と思いました。
人の命令に忠実な警察犬になり損ねたマクナイトですが、
実は本気をだせば、
人を守ることには絶対の強さがある優秀な犬でした。
その素質を見抜けた侑也だからこそ、
マクナイトも徐々に心を開いていったのでしょう。
ふみと隼人も同様です。
お互いの心の傷をぶちまけたとき、
家族以上の絆が結ばれのだと思いました。
どちらかというとネコ派の私ですが、
犬ってこんなにも、忠実で、寂しがり屋なんだとほろりとしました。
犬好きの方にはぜひ読んでもらいたいと思います。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年3月3日
- 読了日 : 2015年3月3日
- 本棚登録日 : 2015年3月3日
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