黄金の島

著者 :
  • 講談社 (2001年5月1日発売)
3.22
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本棚登録 : 218
感想 : 18
3

マルコ・ポーロの「東方見聞録」に登場することで知られる「ジパング」。
欧州の人々のあこがれを集めた黄金の島は、日本と言われている。
日本へ行けばお金設けができる。
生活も豊かになり、故郷に錦を飾れる。
そんな淡い期待を持って、東南アジアあたりから日本へやってくる人々のなんと多いことだろう。
この作品はそんな人々の現状を書きたかったのだと思うけれど、
ちょっと間延びした感じで、ページがなかなか進まなかった。

暴力団の抗争から仲間に追われる主人公は、逃亡先のベトナムで現地の若者たちと出会い、日本語を教え始める。そして、ベトナムの若者たちの日本への憧れを知り、日本行きを計画する。
舞台はベトナムで、その苦しい生活の惨状も見えてくるが、もうひとつ、ピンとくるものがなかった。

主人公が想いを寄せる暴力団幹部の女性は、
最後まで主人公のことを本当に思っていたのかどうかわからない。
それだけしたたかな女性だということにしたかったのだろうか。
それでも一途にこの女性を想う主人公が憐れに思えてきた。

ラストは・・・
なんだ、結局、元に戻ってしまうのね。と言う感じだ。
やっぱり本当の黄金の島は、
自分の愛する人々がいる故郷なのではないだろうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年12月6日
読了日 : 2013年12月6日
本棚登録日 : 2013年12月6日

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