青少年のための小説入門

著者 :
  • 集英社 (2018年8月24日発売)
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本棚登録 : 607
感想 : 74

小説作法に関する本のような本だけど、小説家を目指す青少年二人組の話。もちろん、中には小説を書くのに参考になる記述もあって、タイトルに偽りはないとは思った。
表紙の絵は『バクマン。』の作画担当の小畑健。だからというわけではないけど、バクマン。の小説家版のような話だと思った。多分、表紙が小畑健じゃなくてもそう思ったと思う。性格は違うけど、コンビによるデビューとか、ヒロインとなかなか会う機会がないところとか。
それでも、キャラクターの設定自体はだいぶ違うのでそこまでパクリと思えるようにも感じなかった。もしかしたら、この小説にもあった、過去の名作の設定を、違うキャラクターや舞台で置き換えるという手法を使ったのかもしれない。
キャラクターが勝手に動き出してうまく続きが書けなくなる話はちょっと笑った。明らかにおかしい方向にいこうとしていて、こうやって続きが書けずに苦しんている小説家っているんだろうなと思った。意外とあるあるネタなのかもしれない。
ちょっとよく分からなかったのがいつぐらいの時代を想定した話なのかというのが、途中までよく分からなかった。最初は現代の話かと思って読み進めていたのだけど、時代錯誤な不良がいたり、携帯電話の話がでてこないところで現代の話ではないのだろうなと気づいた。結構最後のほうで「日本は間もなく未曾有の好景気に突入し、その後長く不況に苦しむはずだ」という言葉が出てきて、多分1980年代前半ぐらいのイメージなんだろうなと分かった。なんでどこにも明言してないんだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 図書館から借りた
感想投稿日 : 2019年3月10日
読了日 : 2019年3月9日
本棚登録日 : 2019年3月9日

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