意外に早くきてしまったシリーズ完結。魅力的なシリーズを一気読みできるのは、贅沢の一つだと思います。楽しかったです。
これからの若い指導者たちが、必死にひたむきに己の目指すところを目指し、やりとげたことが何より嬉しい。
イェラは勇ましく切れるように、クワンは己の在り方にある程度の決着をつけて晴れ晴れと、イウォルは困難な時を前にしても静かに穏やかな笑顔を忘れぬ揺るがぬ器を得て。三者三様の魅力と成長が良かった。彼らが国を治める時代をぜひ読みたいと思いました。
ロマンス好きーとしては残念な部分もありますが、ソニンとイウォルの間に流れる雰囲気は充分ニヤニヤでした。特に戦に旅立つ前のアレはね! イウォルが可愛かったし素敵だったです!
その後の、ソニンが手を失うかもしれないという場面が、また萌えました。それでも、その危険を行うことを許したイウォルとソニンの信頼関係とか! その危険さを止めようとして怒ったクワンが、また萌える。なにそれ。今巻の一番格好いいと思ったセリフは、実はクワンの「俺が行こう。それが一番早い」だったりします。
それにしても、イェラにも言えることですが、二人とも、イウォルにとってのソニンの手の存在の大きさを知っているのではないかという場面が、何気なく描かれていたと思います。
いや、特にソニンの力を知らなくても、手というものはそういうものなのかもしれません。人と手を繋いで温かさを共有し、言葉ではない何かで伝えあえることの幸福。ソニンの手を思わずとってしまいたくなるような彼女の在り方、それに手を伸ばせずにはいられなかった二人の孤独さが描かれていたと思います。思わぬところで。
児童文学なんですけれども、大人が読んでも深読みできる奥深さがとても好きです。おまけに萌えてしまって仕方がないです 笑
でも、本当に印象深いセリフが多い作品だったと思います。
毎回ちゃんと入れてくれるミンとソニンの会話が、実は一番の宝物のような気がします。
- 感想投稿日 : 2009年10月18日
- 本棚登録日 : 2009年10月17日
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