あきらめない限り、夢は続く: 難病の投手・柴田章吾、プロ野球へ (新潮文庫 た 99-1)

著者 :
  • 新潮社 (2012年3月28日発売)
4.20
  • (6)
  • (6)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 43
感想 : 7
5

巨人ファンです。
育ドラで難病の子が入団したのは知っていました。
なんとはなしに読んでみました。

小さい頃から溢れんばかりの野球の才能を開花させながら、中学生で難病であるベーチェット病(私事ですが、看護師という職業柄、この病気の恐ろしさは理解しているつもりです。さだまさしの「解夏」でも取り上げられた病気ですね)にかかってしまう、柴田くん。
“なんで俺が?”という思い。
神様さえ恨んだこと。
大好きな野球をやりたい時に、病院のベッドで流した涙。

それでも諦めなかった強さ。
周りの人たちの温かなフォローと、それらへの本人の感謝の気持ち。
で、立つことができた甲子園のマウンド!

著者さんは、柴田くんにはもちろん、彼の家族・チームメート・野球部の監督ご夫妻・主治医の先生etc.…ひとりひとりに寄り添いながら、優しく、でも情熱を持って、彼らの戦い(敢えてこう表現してみます)を綴っています。
単行本では甲子園まででしたが、文庫ではその後…大学から育成ドラフトを経てプロへ歩み出すまでも扱っています。
彼の物語は、現在進行形なんです。

巨人のチームメートのひとりがこの本を読み、尊敬する人の中に彼が入ったと言います。
確かに、彼の強い気持ちには、敬意を払わずにはいられないです。

これからまだ続くであろう私の人生の中で、何かに挫けそうになった時、またこの本を読み返してみることになると思います。

たぶん、何度でも。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年10月6日
読了日 : 2012年8月20日
本棚登録日 : 2012年10月6日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする