辞書編集部にバイトしている大学生が、編集部の人たちから言葉についてツッコまれたり直されたりして、日本語を学ぶコミックエッセイ本。
楽しかったけどこういう本を読むと自分の言葉に自信がなくなり、口数が減りそう。厳しいわ〜辞書編集部の人たち…^^;
特に語源の話が面白かった。語源辞典を購入するのも良いかもしれない。
最後の方に辞書のことが書いてある。
─編集する時に大変なのは、載せる言葉・載せない言葉を選ぶことで、特に削る作業が大変。そして次の時代に残る言葉を載せている。辞書は“使う”だけではなく、“読む”楽しみ方もできる─
深いなぁ。三浦しをん著「舟を編む」も再読したくなった。
特に勉強になったことを紹介。
【省略が好きな日本人!?】
・電話の「もしもし」:申し上げます、申し上げますの「申し」から
【間違えて使うと大恥な日本語】
・客側からの「おあいそお願いします」は✕
・なさぬ仲(生さぬ仲。肉親ではない親子の間柄。大正時代の小説のタイトルから広まった言葉)
【数え方① 馬・牛の 「頭」】
・江戸時代辺りまで「匹」…お尻が対になっていること、馬車や牛車を「引く」という言葉から
・明治時代に入って「頭」…英語の1ヘッド、2ヘッズを直訳して「1頭、2頭」
・人間が訓練した犬(警察犬・盲導犬)や家畜は「頭」。蚕も家畜扱いだから「頭」
【数え方②うさぎの「羽」】
仏教の教え“4本足の獣は口にできない”とされた僧侶たちが、「肉食いてぇ…うさぎは獣じゃない、鳥だ!」となり、鳥のように数えた説あり
【数え方③タンスの「棹サオ」】
江戸時代、家具に棹を通して運んだことから
【食べ物の語源】
・まな板:昔は魚を「真魚マナ」と言い、それを切る板だから「まな板」
・サニーレタスの“サニー”は、たまたま通った日産車「サニー」から→良かった…レオーネレタス、マーチレタス、フィットレタスにならなくて。美味しくなさそうだもん(※これまで乗ってきた車で例えてみた笑)
【日本文化が語源の言葉】
・歌舞伎:市松模様、二枚目、どんちゃん騒ぎ、正念場、差し金、奈落他舞台用語
・相撲:どじを踏む、肩すかしを食わせる、序の口など
・雅楽:打ち合わせ、やたら、二の舞、呂律など
【“お”をつけて可愛い言葉に変えちゃえ〜♡の女房詞】室町時代頃〜
・おでん、おひや、おなら、おにぎり、おむすび
・もっと“お”をつけちゃえ〜:御御御つけ(おみおつけ)※御味御つけとも書く
【時代で変わる言葉】
・「ズボン⇒パンツ」→これは言えない。パンツは下着だもん。上着やコートを“アウター”ともまだ言えない。私は古いのか?
そう言えば同年代のママ友が、ベビーカーのことを「乳母車」と言っている。「〇〇は乳母車に乗せて連れて行くわ〜」「あの乳母車の子、可愛いね!」というように。それは毎回ツッコんじゃいます(笑)
以上
- 感想投稿日 : 2023年3月22日
- 読了日 : 2023年3月22日
- 本棚登録日 : 2023年3月22日
みんなの感想をみる