江戸川乱歩と横溝正史 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2020年12月18日発売)
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本棚登録 : 178
感想 : 8

江戸川乱歩の作品を初めて読んだのは、福岡の母の実家だったと思う。
僕は小学校四年生で、伯父の葬儀に帰省して、従兄弟たちと一つ部屋でゴロ寝をするのに、そこにあった少年探偵団シリーズの「影男」を読んだのが最初だ。
この本によれば、大人向けの乱歩の小説を他の作家が子供用に書き直したものらしいが、夢中で読んだ覚えがある。
中学になって、一年の担任が、各自本を持ち寄って学級文庫を作ることを提案し、僕は「ルパン対ホームズ」「海底5万マイル」の二冊を出した。
ポプラ社の少年探偵団シリーズを数冊出している友人がいて、それを全部借りて読んだが、買ってもらうまでには至らなかった。
中1の秋頃から、自分で文庫本を買うことを覚え、読書が好きになった。
中2の夏休みに、静岡の伯父の家に行き、既に働いていた従兄弟に沼津まで遊びに連れて行ってもらい、そこで初めて横溝正史の「悪魔の設計図」を買ったのだ。
それは、由利先生ものだったが、ルパンや少年探偵団とは全く違ったものに思えて、その後、「犬神家の一族」を読んで、横溝正史中毒になった。
僕は解説まで読む方なので、海外の推理作家などにも、名前だけは詳しくなった。
乱歩の作品も角川文庫で出ていて、全部読みたいと思ったが、半分も読まないうちに、他の作家に興味が移っていった。
横溝正史も読んでいる時は、全部読みたいと思い、大抵読んだが、それでも八割くらいしか読めなかったろう。
少年時代から、青春前期まで、本当に横溝正史には夢中になった。
映画は全部見たし、テレビシリーズも全部見たと思う。
江戸川乱歩の講談社文庫の全集が出た時は、全巻揃えたいと思ったが、それも果たせなかった。
今はまだ、光文社文庫で全集が手に入るので、揃えたいと思っている。
横溝正史も一昨年だかに、コロナ禍だったが由利先生のシリーズがテレビドラマになって一部の作品が昔のカバーで復刊した。
文庫も週刊誌化している現在、未だに残っているのは実は凄いことかもしれない。
少年探偵団シリーズはポプラ文庫で読むことが出来る。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年11月21日
読了日 : 2021年11月9日
本棚登録日 : 2021年11月9日

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