薩長同盟、大政奉還などから、日中戦争までの近代史80年間を通して読むことができる。政体の変遷がダイナミックに感じられる。
議会制民主主義がどのように、この国で育っていったのか。日本の民主主義は、戦後米国という外力によって与えられたものだから、日本人は有権者の意識が低い、という議論を耳にしたことがある。この著作を読む限り、戦前の日本にも、民主主義の獲得、浸透の課程には、それなりのいきさつがあったのだ。
政権交代に沸いた前回の衆議院議員選挙から一転、今回は投票率が下がり、地域、地元を固めた自民党が、小選挙区で軒並み勝利し、結果として圧勝するという結果であった。確かに民主党に失望したものの、投票先の見つけにくい、言わば”人気の無い”選挙であったかもしれない。それでも、最善解を模索し、選択、決断をするという政治の本質を考慮すると、やはり何らかの意思は表示すべきだろう。参政権があるということのありがたさについて、この著作は再認識させてくれる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
哲学、教養
- 感想投稿日 : 2012年12月18日
- 読了日 : 2012年12月12日
- 本棚登録日 : 2012年12月5日
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