なぜ、1%が金持ちで、99%が貧乏になるのか?――《グローバル金融》批判入門

  • 作品社 (2012年6月27日発売)
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本棚登録 : 65
感想 : 7
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個人的な経済関係本購入ブームでクル-グマンやスティグリッツ本を買ったのだが、その際に書店の棚の側に有った本書も手にしたもの。

本書タイトル「なぜ、1%が金持ちで、99%が貧乏になるのか」を見るとそれらの本と軌を一にすると思って買ったのだが、それは羊頭狗肉で、内容的には副タイトルである「グローバル金融批判入門」でさえもやや大仰と云う感じ。強いて言えば「基礎から学ぶ現代経済解説」というような新書版が相応しい内容だ。

とは言え全く訳に立たない訳ではないし、適度に批判精神を交え新聞などを賑わす経済用語及びトピックを丁寧に解説しているので経済・金融を専門としない読者にもスイスイ入ってくる内容だ。

しかもイギリスの「£」の起源なども紹介されておりそれなりに楽しめるものだ。イギリスで発行された1 poundの銀から240枚作られた銀貨を「Stering」と称して、そこからPound Steringが生まれた。当時の書類はラテン語で書かれるのが一般的でポンドに当るラテン語がLibraなので、そこでポンドを表わす記号として「L」が使われ、それが更に装飾をまとい出来たのが「£」表記とのことだ。

まあ色々と不満もあるが、この£の起源を知っただけで良しというものだ。2200円はちょっと高いが。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 経済
感想投稿日 : 2012年8月7日
読了日 : 2012年8月7日
本棚登録日 : 2012年7月15日

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