思い出探偵

著者 :
  • PHP研究所 (2009年2月14日発売)
3.33
  • (6)
  • (30)
  • (41)
  • (4)
  • (5)
本棚登録 : 170
感想 : 40

「温かな文字を書く男」
  思い出は時として諸刃の剣になる
  だが、人生は思い出の積み重ねでしかありえない。
  良きにつけ悪しきにつけ、そのひとが生きてきた
  証なのだ。そこに喜怒哀楽のすべてがあって、人
  間らしさがある。
「鶴を折る女」
  嘘を書いてはならないが、ものには見方が様々あ
  る。目線によっては、知り得た情報でも、何か物
  陰にあって見えないものだってあるのだ。
「嘘をつく男」
  思い出には辛いものもある。だが辛いことも、悲
  しいことも積み重ねていくのが人生なんだ。
「少女椿のゆめ」
  歳のとり方、すなわちそれは生き方やからな。ど
  んな人生を歩んだかちゅうのが、顔に表れるんや
  簡単に言うとな、ぎょうさん笑わなな、ええ顔に
  はなられへん、ちゅうこっちゃがな

息子との自死から妻の心が壊れ 支えるため刑事をやめた主人公。 「思い出探偵社」主人公の人間性に惹かれ集ってきた調査員。 
人生に縁は欠かせない。そのささやかな縁により その後の人生が大きく小さくも変わっていく。人生の節目にその出会いを思い出す。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 鏑木蓮
感想投稿日 : 2017年9月16日
読了日 : 2017年9月16日
本棚登録日 : 2015年12月10日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする