言葉というものは有限であり、言葉で表現しようとするものは大概が枠にはまらない無限のものであることが多い。人間の心や感情のたぐいも、枠のない無限の対象物であるが、“心”という、奥深く幅広く正確に伝えることが困難であるものを、広告コピーは本当に限られた文字数の中で、完全に表現しきる。あるいはたった数文字の中で、ひどく偏りあり定義の存在しない人間の“心”というものを惹き付ける。日本語の奥深さや、言葉というものがいかに素晴らしいものであるかを、この本はありありと物語ってくれる。
ひどく限られた文字数で誰かの心をひきつける言葉は、ある種の芸術であると思うし、それを可能にできる人は本当にすごい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
その他
- 感想投稿日 : 2012年4月16日
- 読了日 : 2012年2月5日
- 本棚登録日 : 2012年2月5日
みんなの感想をみる