放浪の数学者・十和田只人とジャーナリストの陸奥藍子が訪れたのは、狂気の天才建築家・驫木煬の奇怪な邸宅”眼球堂”。
その眼球堂で2人と、共に招かれた各界の天才たちを次々に事件が襲う。
周木律さんのデビュー作。メフィスト賞受賞作にして、「堂」シリーズの1作目です。
クローズドサークル、客人として招かれた各界の天才たち、奇怪な巨大建築物、そして次々と起こる事件……。ミステリファンにはたまらない設定で、そこそこのボリュームのある本ですが一気に読んでしまいました。現実感という点では乏しいですが、とにかくスケールの大きなトリックやギミック、動機が楽しいです。
こういう、天才同士の論争やディベートのようなシーンも好きなので、個々の登場人物の考え方や立場などを思いながら興味深く読みました。理解できているかというと微妙ではありますが……。
意外と、”建築至上主義”の驫木の考え方も(キャラクターとしては)好きかもしれない。あまり他で見たことないタイプで。
綾辻行人さんの館シリーズとかもそうなんですが、こういったミステリ界にしか存在しないような巨大で奇怪で実用性の無さそうな建築物は本当にワクワクします。
あとがきで言及されて初めて知ったのですが、作者さんも建築学科卒業だそうで、楽しんで書いたという眼球堂の図面や見取り図の数々がとても素敵です。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリ
- 感想投稿日 : 2024年2月8日
- 読了日 : 2024年2月8日
- 本棚登録日 : 2024年2月8日
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