サラリーマンの光弘と専業主婦の咲奈は、だれもが羨む幸せな夫婦。だがある日、気づいてしまった。光弘は咲奈の不貞に、咲奈は光弘の裏切りに。
その日から、彼らは良い夫婦の仮面をかぶったまま、互いの殺害を計画し始める。
『今からあなたを脅迫します』シリーズなどが代表作の藤石波矢さんと、『いなくなった私へ』などの辻堂ゆめさんの共著で、夫パートが藤石さん、妻パートを辻堂さんが書いています。
共著の小説というと、著者が変わる際に違和感を覚えて没入感が覚めてしまうことがよくあるのですが、この本はそういったこともなく、自然な文章で楽しめました。
あとがきを読むに、自分の書くパートで相手を殺すトリックを仕掛けてパス。バトンを渡された方がそのトリックを回避し、別のトリックを仕掛け返して返す……という方法で書かれたようです。相手のトリックをひっくり返し、相手パートに書かれた文章なども逆手にとって返す、という共著ならではの面白さがあり良かったです。
正に紹介文にもある通り"殺し愛"。こんな殺し合いに発展はしますし、エキセントリックで似た者同士ですが良い夫婦の二人です。
ミステリっぽいタイトルですが、ミステリというよりはドタバタしたコメディ・エンタメ小説。最後まで読むとむしろラブコメかもしれません。
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共著の小説ならこれも好きです。
『注文の多い注文書』(ちくま文庫)/小川洋子、クラフト・エヴィング商會
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
エンタメ
- 感想投稿日 : 2022年10月28日
- 読了日 : 2022年10月28日
- 本棚登録日 : 2022年10月28日
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