漫画『日出処の天子』を読んで蘇我氏に対する理解を深めたく読んでみた。
蘇我氏は葛城氏として起こり蘇我氏として独立し、その後馬子、蝦夷、入鹿の活躍を経て本宗家は途絶えるものの、蝦夷の兄弟である倉麻呂の家系が蘇我から石川へと氏を変え、生き延び、再び宗岳氏となり歴史の中に消えていく…。
蘇我氏と聞くと、十数年前に学校の授業で教えられたことを思い出す。蘇我は悪い奴らで、大化の改新でやっつけられた─。本書はこのような従来の捉え方に疑問を呈する。私個人としても蘇我氏(主に蝦夷)に感情移入しているので彼らが悪党そのものであったとは思えない。著者はただの憶測ではなく、あらゆる文献や史料を参考として解説してくれる。古文を読み慣れてなかったり、時代に詳しくない人にはだいぶ難しいと思うが丁寧ではある。
乙巳の変の部分は迫力がある。どうしても『日出処の天子』の作画で想像してしまうので悲しさと切なさが強い。。この結末を詳細に知ってから漫画を読むと切なさが倍増しそう。。
蘇我氏本宗家が滅んでからは徐々に藤原氏が台頭してくるが、藤原氏も蘇我氏と同じように外戚の立場を強めていく。平安時代の摂関政治のはしりは蘇我氏だったのか。
とても学びのある本だったが難しいので完全には理解できていない。これからも手元に置いて度々読み返したい。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年1月2日
- 読了日 : 2022年1月2日
- 本棚登録日 : 2022年1月2日
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