約束の森

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012年3月1日発売)
3.80
  • (29)
  • (56)
  • (35)
  • (5)
  • (3)
本棚登録 : 248
感想 : 61
5

(※選択肢に文庫しか出てこなかったのでこちらで登録していますが、実際は新書で読んでいます)
文句なしにおもしろかった。
寄せ集め家族はこの作者にはつきものですが、これは一つの完成形だと思います。祖父母父母姉弟に犬のマクナイトと鳥のどんちゃんまでついてくる。完璧。しかも全員他人、ほぼ初対面…このばらばらの面子がいったいどうなるのか、はらはらし通しです。
始まりは剣呑でしたが、思いの外穏やかに日常が進み、中盤最大の事件はふみのおかず少ない事件。なんでこんなにうまいのか、と思うくらい自然に、三人が一度思い切りぶつかって、その後一つの階段を一緒に昇り始めたのが伝わってきました。でも結局頼りになるのは犬と鳥…(笑)
計画通りのドンパチがとうとう始まったときも、ふみの最大の危機を救ったのはどんちゃん、全体的にいちばん活躍したのはマクナイト。
特にマクナイト…なーんだこの本の主人公はマクナイトだったのかーと思うくらいかっこいいです! 赤城とのやりとりではその潔さに号泣、奥野とふみと逃げるシーンはもう泣きっぱなしでした…。vWDのことを知らなかったので、最後までこわくてたまらなかった。やっと幸せになれたのに…犬好きにはマクナイトがらみのシーンはかなりつらいところが多いです。
あと、ショックvsふみとか隼人vsブリット(ソードかな)の場面の石崎さんの扱いとか、今回かなり15禁な描写が多いので飲み食いしながら読むのはやめましょう。
最後のシーンは隼人・ふみと一緒に子供に返って嗚咽します(笑)
おすすめも書ききれない、時間を作って一気に読んでほしい一冊です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年7月26日
読了日 : 2013年7月20日
本棚登録日 : 2013年7月26日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする