「自分なんか」そんな風に思ってしまうのは大人も子供も一緒だと思う。でも、ある程度歳を取ってくると「誰しもがそうなんだ」ということに気づく。ただ、子供は特に思春期の少年・少女はそれに気づかない。クラスメートを完璧だと思ってしまい、自分を省みて落ち込む、涙する。そんな少女たちに「そんなことないんだよ」と「誰だって悔しい思いを抱えていたり、傷ついたりしてるんだよ」と語りかけるのがこの作品だ。
表紙にもなっている志保のストーリーはとにかく痛い。一番かけられたくない言葉をかけられた彼女の痛みは、我がことのように僕の胸を締め付ける。だけど、彼女には彼女の良さがある。彼女はそれと意識していないかもしれないけれど、それは凄いことだ。傷つけた方の人物だって、決して「完璧」じゃない。自らの傷に痛み、挫折に苦しみそれを他人にぶつける姿が完璧なはずがない。
でも、それで良いんだ。彼女たちは子供で、大人にだって完璧な人はそうはいない。痛みや情けなさ、涙を抱えて歩く彼女たちの姿は僕たちに確かな勇気と暖かさを与えてくれる
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
コミック
- 感想投稿日 : 2011年6月13日
- 読了日 : 2011年4月11日
- 本棚登録日 : 2011年6月13日
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