込み入った「不平等」というテーマを大変読み易く纏めているのが素晴らしい。歴史や文学、そして現代的な諸課題を例に出しつつ26のストーリーで様々な考察がなされる。第一章ではもしアンナ・カレーニナがアンナ・ブロンスカヤになったらという仮定で不平等について考えていてとても興味深い。EUやアメリカ、アジアなどでどのような地域差があるのかといった視座も示唆に富んでいる。総じて、個人間と国家間で次元の異なる不平等が存在すること、グローバル経済の文脈の中で国家間の不平等が重要視されない傾向があることを軸に話が展開していた。
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- 感想投稿日 : 2021年1月23日
- 読了日 : 2021年1月23日
- 本棚登録日 : 2021年1月17日
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