ナラタージュ (角川文庫 し 36-1)

著者 :
  • 角川書店 (2008年2月23日発売)
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本棚登録 : 9909
感想 : 927
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恋愛小説が読みたくて手に取ったのですが・・・評判と違って面白くない。
常に併読してるので、ついつい他の本と比べて優先順位が低くなり、読み切るのにすごい時間がかかってしまった・・・

女子学生と教師の恋愛を描いた作品です。

主人公の泉ちゃんが先生に、捧げるだけの無償の愛を貫きつつ、でも時々自分の気持ちにこたえてもらいたくなったりして、若さゆえのその気持ちの揺れは上手に描けてるなと思いました(上からすいません)
が。それだけ。
何がダメって、相手の先生にとにかく魅力がない。私にはいつも逃げ腰、優柔不断でだらしない、としか映らなかった。
加えて、女子高生に頼る頼る(苦笑)。あなた30代の大人なのに寄りかかりすぎでしょう。
そのくせ彼女ではなく、他の女を選ぶんだから意味が分からない。事情があるとはいえ他の女を選びながら彼女に頼るっていう構図、嫌悪感しかなかったよ。
キャラに魅力がないと小説はこうもつまらないものなのか、と再確認してしまいました。

ついでに言うと、著者は文章力に定評のある方みたいですが、情景の描き方とか雰囲気あるし悪くはないと思うけど、それゆえ?無駄に長い話になってる気がする。
たとえばドイツ旅行の場面なんて全部いらないんじゃないかと・・・
その分、葉山先生と親しくなるきっかけとなったいじめのこと、もうちょっとリアルに描けば?なんて思っちゃった。
だってさー、あの程度の嫌がらせで死にたくなるかなあ、とぜんぜん説得力ないんだもん。
それとか、後輩の自殺の件もなんだか唐突だし・・・
著者の書き込みたいところと、読者の納得感を求めるところの温度差を感じてしまったのは私だけでしょうか。

なんだかこの作品、来年映画化されるらしい・・・10代にはウケるのかしらね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 恋愛
感想投稿日 : 2016年8月30日
読了日 : 2016年8月30日
本棚登録日 : 2016年8月30日

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