地獄変 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (1991年3月20日発売)
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本棚登録 : 1328
感想 : 129

芥川の世界にどこか後ろめたさを覚えるのは、自分のどこかに彼の描く世界の人物と重なるところがあるような気がするからかもしれない。「羅生門」「蜘蛛の糸」「地獄変」…もちろん「鼻」や「芋粥」にだって。さて、今回の目当ては「藪の中」。なんだかよくわからなかった、そんな印象の残っていた話は、今回じっくり読むと多重解を持ったミステリのよう。何度も読み返し、真相が藪の中のままであることに逆にほっとする。年を重ねたせいか、特に印象深かったのは「秋」。そしてやっぱり、突然目の前に開ける色に目を見張る「蜜柑」は別格で好き。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: honto
感想投稿日 : 2020年11月16日
読了日 : 2020年5月11日
本棚登録日 : 2019年6月14日

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