自分は、バブルの記憶もなく、セゾン美術館閉館の年(1999)に上京した人間なので、直接その時代を知らない。しかし、東京で暮らすうち、セゾン文化を出自とする先人の多さに驚き、本書を読んでみた。
登場するアーティスト・文化人の顔ぶれに、まず、圧倒される。堤清二個人をなしに、セゾン文化は生まれなかったが、セゾン文化自体は様々な思惑を持ったそれぞれが勝手に形成していた、という理解で良いだろうか?
また、企業が営利以外で社会に働きかける事の是非についても考えさせられる。企業が文化活動をする事が、いかに困難を伴うか……。「直接お金を生まないものに対する感情──嫉妬と羨望と軽蔑と憎悪」があった事を指摘する記述が印象に残った。
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- 感想投稿日 : 2012年5月26日
- 読了日 : 2011年11月3日
- 本棚登録日 : 2011年10月13日
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