春のこわいもの

著者 :
  • 新潮社 (2022年2月28日発売)
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本棚登録 : 2801
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コロナ禍で体験した自粛ムードのギスギスした雰囲気。自粛警察などもでてうんざりするほどの批判や嫉妬が溢れていたご時世でしたが、そんなアウトラインの霧に不快を覚えました。傍観してるのだけど理解できないし、話が通じない疎外感に、ひとり取り残されてゆく恐怖を感じました。SNSとか、承認要求とかエゴサーチとか心騒がすことには目を塞ぎたくなるし、見えないものの恐怖が迫ってくる日々に怯えながら人混みで息をするのも大変な不自由さ、うまく気持ちを捉えることできない一人歩きする文体は、かまってくれないし、共感とか別次元で入り込むことができない。ページをめくるごとに感じる温度差に心が閉ざされてしまいました。「夏物語」は良かったのになんだろうイライラする。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 図書館
感想投稿日 : 2023年9月22日
読了日 : 2023年9月22日
本棚登録日 : 2023年9月16日

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