北岳山小屋物語

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  • 山と渓谷社 (2020年1月17日発売)
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北岳に行きたい理由が2つありました。1つは昨年叶ったんですが北岳にしか咲かないとゆう希少種の「キタダケソウ」をみるため日帰りピストンしました。花の時期が早いので6月の開山と同時に行ってきましたがもう終盤を迎えてましたが見れてラッキーでした。下界は晴れていたのですが2500m以上はガスに覆われ10m位の視界のなか、強風にミゾレまじりの雨が冷たくって、煽られながらも凛として咲く姿の可愛いらしい花でした。今度行くときは晴天の眺望のよいときに行きたいと思いました。
そして2つ目は、北岳~間ノ岳の「天空の縦走路」を歩きたい。3000mの稜線歩きが楽しめる日本最高地の縦走路があるのです。ここを歩いてみたいと長年の憧れだけどタイミングがあわず叶えられずにいます。花の季節には数々の高山植物が咲き誇り、雄大な眺望は近景に甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、鳳凰三山、南ア南部の山々に、遠方は中アに北アも、勿論富士山もみえる。ここも日帰りで考えているのですが私の脚で10~12時間の行程になるのでなかなか実行できずにいるのです。とゆうのは、時間制限があるからなんです。登山口の広河原までは車で行けず芦安より乗合タクシーを利用し5時の始発に乗って広河原着が6時、最終が16時30分なので10時間30分以内にピストンできなければ日帰り無理なんです。
それに5時の始発に乗るには4時には並んでないとダメだから逆算すると前日の23時には自宅を出発してないと間に合わないんです。
帰りは無茶疲れて眠くなるのでSAで仮眠をとりながら帰宅すると。日帰りと言えども全行程24時間かかるとゆうタイトスケジュール。長野あたりに移住したいってつくづく考えてしまいます。山小屋利用して1泊2日で考えればわりと実現可能なのですけど。

前置き長くなりましたが、
北岳まわりにある5つの山小屋のルポ、ジャケ借りで収穫した本です。
各山小屋の特徴とか実態が書かれてました。遭難者が出た時の対応とか苦労話、マナーの悪い客のこと等々
広河原エリアは南アの玄関口として上高地や八ヶ岳のような観光リゾート化を推進してるのだから、客の不満話よりもサービスの向上にむけて努力するのが肝心に思えるんです。コロナの影響もあったので山小屋の経営が厳しいのは充分解ってますが、宿泊料金だって1泊12000円と値上りましたし高額なわりに食事はチープだし、売店で飲み物買うにしても1本500円とか、トイレも、水も有料なのが現状なんです。時代に迎合するのでもなく、ただそこに凛として存在しているような小屋があれば嬉しく思います。キタダケソウのように・・・

その中で行ってみたいと思った山小屋がありました。両俣小屋です。メインルートから大きく外れてた仙丈ヶ岳との谷間にある小さな小屋で山慣れた人じゃないと行けないような所にあります。北岳登山のマイナールートである左俣ルートが荒廃して通行止になっているので利用する登山者は減ってきてるとのことなのですが小屋番は星美知子さん、女性の方です。それに猫2匹だとか。30人程収容できる広さで夏場の繁忙期にはバイトも雇うようですが基本1人できりもりしてるとか。それと経歴に興味津々。文学部を中退し出版業界で働いたことから、後に桂木優のペンネームで『41人の嵐』とゆうノンフィクションを執筆されたことがあるとか。これは1度読まないといけない。彼女1950年生れなのでなんと今年で73歳。
ネットで両俣小屋を検索してみたら昨年11月に更新されたページがあり去年までは営業されてた様子でまた来シーズン元気でお会いしましょうと張紙されてるフォトがありました。
この山小屋は、星さんが現役のうちに是非とも訪れてみたく思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 図書館
感想投稿日 : 2023年4月3日
読了日 : 2023年4月3日
本棚登録日 : 2023年4月1日

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