名著の話 僕とカフカのひきこもり

著者 :
  • KADOKAWA (2022年2月16日発売)
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感想 : 65
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カフカ『変身』
元々好きな話だったが、もっと愛着が湧いた。
虫けらは自分であり、下手に妹が認めてしまったものだから、変わる機会を失ってしまった。

柳田国男『遠野物語』
いくつか引用を読んで面白かったが、やはり原文のままだと理解しにくく、解説付きのもので読んでみたくなった。ネットのまとめサイトのようだと表現していたが、そういわれると敷居の高さを感じず、より気軽に手を出せるように思う。

神谷美恵子『生きがいについて』
引用「人間が最も生きがいを感じるのは、自分のしたいと思うことと義務とが一致したときだ」
若松「〜生きがいは徹底的に質的なもの〜金銭や権力といった量的なものと関係し始めたら、それはもう、真の意味での生きがいではない。〜量的に比較しても何の意味もない。そして生きがいの発見とは、いつか行わなくてはならない人生の宿題でもある。」
伊集院「これに長い時間を割けないから生きがいとしては弱いな、みたいな考え方はおかしいわけですね」
上記の部分が特に印象的だった。
近年は“生きがい“という言葉の使い方がおかしく、押し付けがましくなっている。大学や企業が人間を人材と表現し、働くことが生きがい、そうゆう人間を増やそうと若者に押し付け、若者も求められる人材になろうと、枠にとらわれる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2024年4月30日
読了日 : 2024年4月29日
本棚登録日 : 2024年4月28日

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