友達・棒になった男 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1987年8月28日発売)
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本棚登録 : 1435
感想 : 81
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安部公房の作品は変だ。読み進めていくうちに迷子になる。ちゃんと舗装された道路を通ったはずなのに。

『友達』の展開は訳が分からない。それなのに納得してしまう。そして、そら恐ろしくなる。闖入した一家が、例えばこんな論理で説得してくるのだ。

"兄弟は他人の始まりっていうじゃないか。つまり、他人をさかのぼって行けば兄弟になるということでもある。"(19頁、『友達』より)。

これを劇場で見た観客は何を思っただろうか?

『榎本武揚』は、安部公房先生にしては珍しい歴史・人物モノである。とはいえ展開がシュールなのは変わらない。幕末ファンかつSF好きには興味深い一品なのではないだろうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 安部公房
感想投稿日 : 2012年3月23日
読了日 : 2012年3月23日
本棚登録日 : 2012年3月23日

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