この間、ルヘイン初めて、と書いたけど、実は「ミスティック・リバー」を数年前に読んでいたことに気づいた。だから再読ということになる。
終わりの方まではとても面白かった。ストーリーというより、この人はやはりキャラクターがいいかな。心の揺れ、切なさ、辛い中での決断。運命が厳しい環境を与える中で、それでも精一杯筋を通してまっすぐに生きようとする人々の心の動きがとても牽引力があると思う。
この本すごく厚くて、ドラマティックな設定(3人の少年の子供時代に起きたある出来事、成長した3人がそれぞれ刑事、被害者の父、容疑者かも知れない男、として再び引き寄せられる……)もすごく面白いんだけど、ストーリー自体はそれほどドラマティックに展開はしない。行間にずっと漂っているやるせない雰囲気の方が印象的。 で、そう、終わりの方まではとても面白かったんだけど、最後のところで私はついていけなくなったというか、興味を失ってしまった。確かにあれもひとつの終わり方で、実際、現実にはすべてがすっきりすることなんてめったにないのだけど、でも、あれはどうなんだろう。もう少しだけ、すっきりしたかった。救いがほしかった。でもきっとこれがルヘインさんらしさなのかも。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2018年12月6日
- 読了日 : 2013年5月30日
- 本棚登録日 : 2018年12月2日
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