「はじめての言語学」とあるように、初心者よりももっと前、「言語学ってなんだろう」という疑問を持った人におすすめの本です。言語学を少し学んでみて、よく分からなくなった人が言語学というものを振り返るためにもちょうどよい本かもしれません。
言語学といったら「ソシュールという人が有名らしい、彼の本を読んでみよう」や「サピアウォーフの仮説に興味があるから言語学を知りたい」と思うかもしれません。私がそうでした。
しかし、ソシュールやサピアウォーフ仮説は言語学の一面でしかありません。言語学という学問を理解するには細かすぎますし、難しすぎます。
「はじめての言語学」は言語学をざっくりと、偏見なく見つめることができる一冊です。言語に対して、優劣がないということ、悪い言語も良い言語もないということ、乱れた言葉もないということ、そういったことも改めて知ることができる本でもあります。
著者の黒田龍之介さんの本をいくつか読みましたが、どの本も夜眠る前にでも読める程気軽な内容です。堅苦しさがないため、ユーモアたっぷりの講義を見つめている気持ちになれます。
そういった点も含め、言語学をはじめて学ぶ人にもってこいな本でしょう。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年1月2日
- 読了日 : 2023年12月30日
- 本棚登録日 : 2023年12月30日
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