異常【アノマリー】

  • 早川書房 (2022年2月2日発売)
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感想 : 234
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図書館でお借りし、楽しみにしていた一冊を読み終えました。

設定はすごく面白い(≧∇≦)
SF物といえば、SF物。
でもそんな単純な物語ではありませんでした。

でも、読んでいてしんどい(||´Д`)o
結果、期間の延長2回^^;
(まぁ、いつも通り読みながら他の本もいろいろ手にしていましたし...あっ、あと今日は12連勤の9日目、さすがにクタクタ(o´Д`))

三部構成の本書に主人公は存在しません。
完全にネタバレを含みますが、ざっくりとあらすじをまとめるとこんな感じかな^^;

<あらすじ>
第一部 空ほどに暗く
(2011年3月~6月)
様々な人種、国籍、性別、年齢、職業の人々が1人づつ章ごとに登場し、紹介されていきます。
この時点で読者は最初の?を体験。
なんだなんだ?どういうこと?って感じで幕を開ける本書。

2021年3月、エールフランス006便の乗客となった243名の人々、パリ発ニューヨーク行きのフライト中に突如としてレーダーにも映っていなかった超巨大な積乱雲が現れます。
あまりの大きさから迂回することも出来ず機長は乱気流の中へ突入。
なんとか積乱雲を抜け機長はケネディ空港の管制へ連絡するも...

少しページがすすみ、改めて機長と管制とのやりとり。
しかし、管制から繋がれたのは国防総省。
提督は機長に対し、F/A-18ホーネット2機に護衛されており、うち1機は真後ろから撃墜体制にあるという。
戦闘機に護衛されるかたちでマクガイア空軍基地へと降ろされ監禁状態となった乗客乗員。
物々しい警備の中、特別調査員による個別の聴取が始まります。
時を同じくFBIによりマクガイア空軍基地へと連れてこられた人々。
乗客乗員の運命は!?


第二部 人生とはいわば、夢のようなもの
(2021年6月24日~26日)
明らかとなった驚愕の事実《異常》、それは3月に積乱雲を抜けたエールフランス006便の乗客乗員と全く同じシチュエーション、人物が6月に同じく積乱雲を抜けて現れたということ。

大統領を含め、政府関係者、宗教家達が何が起こり、どうなっているのかを突き止めようとします。

そして始まった特別調査員による個別の聴取。
全くおかしな点のない乗客と乗員。
ただ、3ヶ月前に全く同じ体験をしている人々が3ヶ月後の世界にも存在する。

そして彼等・彼女達は対面します。
自分自身と。
コピーではなく、オリジナルとしてのもう1人の自分。
同じ体験をし、同じ記憶を持ち、同じ人を愛したもう1人の自分。

そんな状況、うけいれられますか?
カタカタカタカタ((((;´・ω・`)))ガクガクブルブル

第三部 無の歌
(2021年6月27日以降)
全く同じ人物である2人、区別する為に便宜上3月に到着した人々を〈マーチ〉6月に到着した人々は〈ジューン〉と名前に付け加え区別します。

あくまでフィクションです。
だから、それぞれに向き合うんです。
もう1人の自分と...

政府から発行された新たなIDで新たな人生を始める人、自死を選ぶ人...


世界には自分とそっくりな人間が3人いるといわれていますが、本書に登場する〈マーチ〉と〈ジューン〉はそっくりさんではありません。
DNAレベルで全く同一人物《ダブル》。

とんでもない衝撃作でした!!





◆◆◆書評・メディア露出◆◆◆
週刊朝日(2022年7月8日号)書評(長薗安浩氏・作家)
熊本日日新聞(2022年5月22日)書評(大島明秀氏・熊本県立大学教授)
Ai The Nikkei Magazine(2022年4月22日)書評(山崎まどか氏・コラムニスト)
「深緑野分のにちにち読書」(2022年4月15日)書評(深緑野分氏・小説家)
北海道新聞(2022年4月10日)書評(長山靖生氏・評論家)
日経新聞(2022年4月9日)書評(牧眞司氏・文芸評論家)
信濃毎日新聞(2022年4月9日)書評(古山裕樹氏・書評家)
週刊文春(2022年5月号)書評(卯月鮎氏・書評家、ゲームコラムニスト)
サンデー毎日(2022年5月号)書評(上原隆氏・コラムニスト)
ELLE JAPON(2022年5月号)書評(石井千湖氏・ライター)
週刊新潮(2022年3月31日)書評(佐久間文子氏・文芸ジャーナリスト)
「斜線堂有紀のオールナイト読書日記」2022年3月8日(斜線堂有紀氏・小説家)
朝日新聞(2022年3月5日)書評(大矢博子氏・書評家)
ダ・ヴィンチ(2022年4月号)書評(倉本さおり氏・書評家)
GINZA(2022年4月号)書評(北村浩子氏・フリーアナウンサー、ライター)
産経新聞(2022年2月27日)書評(池上冬樹氏・文芸評論家)


フランス文学最高峰のゴンクール賞受賞作にして
アメリカのミステリ界で年間ベストと評価される、異例の傑作、登場。
フランスで110万部突破

◉あらすじ
「もし別の道を選んでいたら……」

良心の呵責に悩みながら、きな臭い製薬会社の顧問弁護士をつとめる
アフリカ系アメリカ人のジョアンナ。
穏やかな家庭人にして、無数の偽国籍をもつ殺し屋ブレイク。
鳴かず飛ばずの15年を経て、
突如、私生活まで注目される時の人になったフランスの作家ミゼル……。

彼らが乗り合わせたのは、偶然か、誰かの選択か。
エールフランス006便がニューヨークに向けて降下をはじめたとき、
異常な乱気流に巻きこまれる。

約3カ月後、ニューヨーク行きのエールフランス006便。
そこには彼らがいた。
誰一人欠けることなく、自らの行き先を知ることなく。

圧倒的なストーリーテリングと、
人生をめぐる深い洞察が国際的な称賛をうける長篇小説。
ゴンクール賞受賞、フランスで110万部突破、
ベスト・スリラー2021(ニューヨーク・タイムズ、パブリッシャーズ・ウィークリー)

装画:POOL
装幀:早川書房デザイン室

著者について

◉著者紹介
エルヴェ・ル・テリエ Hervé Le Tellier

1957年、パリ生まれ。小説家、ジャーナリスト、数学者、言語学者など、多方面で活躍する。
1992年より、国際的な文学グループ〈潜在的文学工房(ウリポ)〉のメンバーとして
小説の新しい形式と構造を探求する作品を発表。2019年には4代目の会長に就任する。
30ほどの著作を刊行する長いキャリアを経て、63歳のとき、本作で一挙に世界的に注目される。
2020年、本作はフランスで最高峰の文学賞ゴンクール賞を受賞し、同国内で110万部を突破。
40の言語で翻訳が決まっている。


◉訳者略歴
加藤かおり
フランス語翻訳家。国際基督教大学教養学部社会科学科卒業。
訳書『念入りに殺された男』エルザ・マルポ、『ちいさな国で』ガエル・ファイユ、
『ささやかな手記』サンドリーヌ・コレット(以上早川書房刊)、
『星の王子さま』サン゠テグジュペリ、他多数

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年3月5日
読了日 : 2024年3月5日
本棚登録日 : 2024年3月5日

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