ミカエルの鼓動

著者 :
  • 文藝春秋 (2021年10月7日発売)
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感想 : 287
4

年度末で仕事が終わるのも遅く、読み始めてから4日も要しましたが、久々の柚月作品、やはり読み応えありましたね。

柚月作品との出会いは偶然見かけて手にした「慈雨」。

佐方禎人シリーズに日岡シリーズ(個人的にはガミさんシリーズですが)等々、ドハマリした作品ばかりで、気づけば本作で16冊目の読了となりました。

柚月裕子作の医療ミステリーってだけでワクワクしませんか?

勝手に大好きな知念実希人作品を手にした時のような高揚感と期待値高めで読み始めました。

プロローグは雪山で遭難寸前の男性が描かれています。

このシーンが本作のどのようなプロットとなるのか、つかみはOK。


本作の主人公は心臓外科医で手術支援ロボット「ミカエル」の使い手である西條。

そこにライバルのごとく現れたのはドイツから西條が勤める病院へ移ってきた同じく心臓外科医の真木。

同じ心臓外科医ですが、西條は「ミカエル」の第一人者で真木は天才的心臓外科医。

キリスト教における特別な大天使は、「ミカエル」、ガブリエル、ラファエルの三人で、「三大天使」と呼ばれています。

その中で「ミカエル」は“神のごとき者”と言う意味で、英語だと「マイケル」、ドイツ語では「ミヒャエル」、フランス語では「ミシェル」、等々、どの国でもポピュラーな名前として使われています。

難病を抱えた少年を救う為、西條は「ミカエル」で、真木は己の技術で手術をすることを主張。

そんな時に「ミカエル」をめぐるとある疑念が囁かれ始め、いよいよミステリーの本流へ...

って思ったのですが...

まぁ、少年を救うシーンは読み応え十分でしたが、その先が...

そっかぁ...「慈雨」を読み終えた時もどことなくこんな感じを覚えたような...

どーーーーしても、個人的にラストが物足りないが故に☆4つ。

でも、読みやすさ、一瞬にして世界観に入り込めるところはやはりさすがですね。




ミカエルの鼓動【あらすじ】

大学病院で、手術支援ロボット「ミカエル」を推進する心臓外科医・西條泰己。

そこへ、ドイツ帰りの天才医師・真木一義が現れ、
西條の目の前で「ミカエル」を用いない手術を、とてつもない速さで完遂する。

難病の少年に、手術支援ロボット「ミカエル」を

用いるか否か、術式をめぐって真木と西條が対立。

そんな中、西條を慕っていた若手医師が、自らの命を絶った。

しかも大学病院の闇を暴こうとする記者が現れ、「ミカエルは人を救う天使じゃない。偽物だ」と西條に迫る。

「ミカエル」をめぐり、何かが起きている。

そのとき、西條は――。

天才心臓外科医の正義と葛藤を描く。

この者は、神か、悪魔か――。

気鋭の著者が、医療の在り方、命の意味を問う感動巨編。

説明
この者は、神か、悪魔か――。
気鋭の著者が、医療の在り方、命の意味を問う感動巨編。

大学病院で、手術支援ロボット「ミカエル」を推進する心臓外科医・西條。そこへ、ドイツ帰りの天才医師・真木が現れ、西條の目の前で「ミカエル」を用いない手術を、とてつもない速さで完遂する。
あるとき、難病の少年の治療方針をめぐって、二人は対立。
「ミカエル」を用いた最先端医療か、従来の術式による開胸手術か。
そんな中、西條を慕っていた若手医師が、自らの命を絶った。
大学病院の闇を暴こうとする記者は、「ミカエルは人を救う天使じゃない。偽物だ」と西條に迫る。
天才心臓外科医の正義と葛藤を描く。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年3月9日
読了日 : 2022年3月9日
本棚登録日 : 2022年3月9日

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