空気を読む、一時期盛んに言われた事ですが今でも変わらず言葉に出さない「空気」というものに我々の社会は支配されております。
空気を読めなかった人は、つまはじきにされたり、いじめに遭ったりします。これは簡単に対応出来る人にはピンとこない内容かも知れませんが、私のようなあちこちぶつかって上手く行かなかった幼少少年青年期を送った者にはよく分かります。
この「空気」というものは日本的な「世間」というものの見えない圧力のもので、他の国ではこれは宗教が担っている領域だと書かれています。
日本人が頼みごとを断るのが下手なのは、自分につながりがある「世間」からの反応を心配する余りの精神の動きだから。他の国だと神様からの頼みは断れないけれど、それ以外は等しく社会の構成員なので断る事も受ける事も自由という考えかたのようです。
昔で言う「村八分」の状況になる可能性が有る強力な「世間」であれば従った方が得策だけれど、それ以外はきっぱり断った所で大した被害はないので、自分にとってどういうつながりなのかよく考えた方がよい。
なるほど、確かに断ってもなんともない関係性でも頼まれるとなんとなく断りにくいというのは沢山沢山あります。特に断るのが苦手な僕は嫌になるほど体験しています。
この本の素晴らしい所は、何も全部に対抗しろと言っているわけでは無くて、どれが一番楽かを見極めてマシな方を選びなさいと言っている所。また、強力な世間(会社、学校、親戚縁者)だけではなく、小さな弱い世間(サークル等)に属す事によって一つ一つの世間からの影響力を弱めて、ここから弾かれたらどうしようかというプレッシャーから出来るだけ自由になりなさいと言っている所です。
特に中高の時にこの本読んだら気持ち楽になっただろうなと思います。実際その頃有っても手に取らなかったでしょうけど。
- 感想投稿日 : 2019年7月30日
- 読了日 : 2019年7月28日
- 本棚登録日 : 2019年7月28日
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