本の時間を届けます

  • 洋泉社 (2016年12月5日発売)
3.66
  • (12)
  • (28)
  • (18)
  • (5)
  • (2)
本棚登録 : 483
感想 : 26
4

本好きが憧れるのは、小さな店で自分好みの本を並べて売る。こじんまりとしていてあくせくせず、のんびりと本と共に生きる。そんな光景ではないでしょうか。
ところが本を売るという事は、今の現代ビジネスモデルとしては完全に衰退の一途を辿っている為、他に副業があるかお金持ちにならない限り踏ん切りがつかない夢と化しています。
そんな中でも本に関わりたいという人たちが荒波に漕ぎ出して、懸命にそして楽しげに本を手に毎日を過ごしている姿を垣間見ることが出来る本です。表紙にも題名にも書いてありませんが、全員女性店主です。
女性店主という括りに反応する辺り、私自体まだジェンダーレスになれていない証拠でありますが、カフェ等でも女性が店頭に居る方が落ち着きます。
山奥の書店や、離島の図書館。行ったことは無いけれど知っている古本バル。色々な魅力的な店が満載で、一軒一軒訪ねて回りたいです。簡単な地図が載っていますが遠い距離にため息つきながら読んでいました。
行けそうなのは西荻の「月よみ堂」と栃木の「ハナメガネ商会」でしょうか。西荻へ行って書店巡りをしたあと、ゆったりと飲みに行きたいものであります。
皆さんに共通するのはリスクを考えるよりも、自分の一番生きたい人生を考えて実行に移しているという所でしょうか。本とともに生きるという事が自然だという人々は絶滅危惧種だと思いますが、その中でも本を生活の糧にして、しかも組織に属さないということは、その中でも相当なひねくれもの、そしてチャレンジャーです。
毎回こういう本を読むと羨望が体を満たしますが、自分も後に続くかと言われれば、店を楽しむ側でいいやという結論になります。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年7月10日
読了日 : 2019年7月9日
本棚登録日 : 2019年7月9日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする