13坪の本屋の奇跡 「闘い、そしてつながる」隆祥館書店の70年

著者 :
  • ころから株式会社 (2019年11月27日発売)
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本棚登録 : 242
感想 : 29
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まさに書店受難時代。ただでさえ本が売れないのに、売れそうな本ほど小さい本屋には入って来ない。そして数年前のムックを勝手に送ってきて、すぐに金を払えと言われる。けれど返品しても直ぐにお金は入って来ない。これで良く経営成り立っているなと逆に感心します。
大阪の隆祥館書店はわずか13坪にもかかわらず、全国的に有名な書店です。本へ顧客へ愛情を注ぎ、先代は本書で有るように書店の権利を勝ち取る為に立ちあがった、義に生きた男。そして二代目の二村知子さんは父の意思を受け継ぎつつも、著者を招聘しての講演会を200回以上続けるという偉業を継続しています。
小さな書店でも人を呼ぶことは出来るという証明のような書店であります。実直にいい本を勧めつづけてきた信頼と、企画力と実行力。それを兼ね備えた2代目の知子さん。本とは関係無いので小さい声でいいますが(すごい美人)です。
色々な本系ムックで見かけた超美人が一人いましたが、この書店の経営者だったんですね。うーんびっくり。
話逸れましたが、一途に勤勉に書店を経営してきた親子の一代記としても素晴らしいし、いかに書店という商売が成り立たず、特殊な企業努力をしないとジリ貧になってしまうかという現実を知るためにもいい本です。
誰も彼もアイディア出して実行したり交渉したり出来る訳ではないので、真っ当に物を売って真っ当に生活が出来る商売にならないものでしょうか。このままでは小さな本屋さん本当に無くなってしまうと思います。
微力ながら月5000円は新刊書籍をリアル書店、それも出来れば個人書店で買うように心がけています。
この本屋さんは大阪なのでなかなか行く機会無いですが、近くの書店を応援しながらエールを送りたいと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年12月18日
読了日 : 2019年12月17日
本棚登録日 : 2019年12月17日

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