文化人類学への招待 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店 (1982年9月20日発売)
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感想 : 12
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読んでから少し間を置いてしまった。

文化人類学は、根本から異なる価値観を観察し、正しく認識すること。
「互酬性」って高校生の時の授業で聞いたような言葉だけど、まさにそこに価値観の違いが最もあらわれるようだ。
「市場社会においては1人1人が断ち切られているがために交換が行われる。贈与交換の行われているような社会では、1人が全体と再びつながるために、社会的紐帯を再強化するために交換が行われる」。なるほど。

神聖という要素も含め、対象への「恐怖」が「排除」につながっていく、という面は日本でも数多くあっただろうし、女性においてもそうだったかもしれない。
バークの主張「政治という仕掛けが最終的に試みるのは、常に排除の原則を働かせることによって上下の関係を作り出し、最終的には何らかの犠牲の祭儀を行うことを通して収支決算する」に納得。
演劇や道化といった政治の一面は今でも生きていそう。
その中で権力側のスケープゴート化があり、「死と再生」というテーマが数多くみられることにも着目したい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2011年9月26日
読了日 : 2011年7月23日
本棚登録日 : 2011年9月26日

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