徹底解明!とか、恐るべき戦略!とか帯に書いてある内容とはほど遠いけど、サクッと読めた。考えてみればこれだけの政治力も備えた創価学会の歴史について、怖い物を避けるようにほとんど知らなかったのは、いただけない。
「彼岸性(あの世)を此岸性(この世)に包み込んでいるのが創価学会の特徴」と表現する。プロテスタントだからこそ、同じ宗教を信じる者として見えるものもあるのだろう。
オープンな情報から8割は仕入れられる、とあるが、本当に取材対象がオープンにしている情報を読み解いてばかりで、実際に登場する人も少なく、物足りなかった。特に、「池田大作という名前に真理が体現されている」とまで語る池田氏がどうしてそれほどのカリスマ性を得られたのか。そして、池田氏がいなくなった後については何も言及していない。
国際性について語る最終章はややうさんくさくなる。
・初代会長・牧口常三郎、二代会長・戸田城聖……創価学会の礎を築いた2人の指導者が獄中にあって信仰を守り抜き、1人は落命していたという事実は、創価学会の運動体としての精神を形成する上で核心を成している。
・題目を唱えることを極楽への「跳躍」としない。言い換えれば現在の生をあきらめない。……この「此岸性」が日蓮仏法の大きな特徴。
・国家諫暁(かんぎょう)
・身延山→大石寺
・憲法20条全体の趣旨は、あくまでも国家、つまり政治が宗教に介入することを禁じているのであって、宗教団体の政治活動を禁じているのではない
・「明治以降、宗門でも言われてきた国立戒壇論は、改めるべきであろう。そうしなければ、大聖人の仏法の真実を歪め、いたずらに社会の誤解を招くことになる」
・公明党は日蓮仏法の理念を現代社会に反映させ、反戦平和と大衆福祉の実現をめざす政党だと自らを規定し直すことで、党の輪郭が明確になり、……ある種のうさんくささが消える。
- 感想投稿日 : 2015年1月27日
- 読了日 : 2015年1月26日
- 本棚登録日 : 2015年1月26日
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