本書では、ジョブズやディズニーなどの「ビジョナリー」を題材とし、先見の明を持つ成功者たちと普通の人々との違いを脳科学の知見をもとに迫ったものです。豊富な文献や彼らへの取材を通して明らかにしていきます。
スティーブ・ジョブズ。ウォルト・ディズニー。リチャード・ブランソン…。彼らはいわゆる「ビジョナリー」として人間を前進させたことで知られます。そのいわば「先見性」に脳科学の知見からアプローチをしたのが本書であります。本人たちへの長年の取材や、豊富な文献を用いて普通の人々と彼らの「違い」や彼らへ一歩でも近づくためにはどうすればいいかなど、そういったことが記されていて、知的好奇心にとんだビジネス書であると思いました。
しかし、僕が読んでいて印象に残った箇所はひとつの分野で「ビジョナリー」といわれた人間が違う業界、違う業種に入ると、その力がなぜか鈍ってしまう。たとえばジョン・スカリーが「ペプシ・チャレンジ」などで破格の実績をあげながらスティーブ・ジョブズに請われてアップルに入社したときの「その後」については皆が知るところでございましょう。
「自らの直感に従う」ことや「イノベーションを起こす」ということがあのビル・ゲイツや彼をして
「あの男以上に頭のいい男はいままでに会ったことがない」
と言わしめたネイサン・ミアボルドでさえも
「自分がまるでバカにでもなったかのようだ」
といわざるを得ないような行為なのだ、ということはなんとなくではありますが理解できたような気がいたします。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年6月9日
- 読了日 : 2013年6月9日
- 本棚登録日 : 2013年6月9日
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