年収200万円のフリーター・優作はなぞのオッサン・堀井健史と握手を交わした。ホリエモンの書いた小説です。この話は序章に過ぎなかったことが後に『成金』で明らかにされていきます。
ちょっと前にこの本を読んでいました。おそらく、主人公の藤田優作と「オッサン」と呼ばれている堀井健史は著者である堀江貴文その人なのでしょう。そして、フィクションという形でしかここまで当時の『ヒルズ族』と呼ばれた新興系ITベンチャー系企業の経営者たちの生態を描けなかったんだな
と思っています。とくに藤田優作が起業して成功してから行われたパーティーの酒池肉林ぶりは、おそらく実体験が強く反映されたものだったんでしょう。
しかし、プロ野球の球団買収から物語が徐々に暗転していきます。密室で繰り広げられた会話は真に迫るものがあって鬼気迫るものを感じました。結末は『ほぼ』現実をなぞっているので予想はつくかとは思いますが、あまりにもさらりと読めるので、「ホリエモン」ではなく、堀江貴文という人間そのものや
『金で買えないものはない』という言葉に隠された彼の『真意』を知りたいというかた以外には、オススメしようかどうかは、非常に迷う本です。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2013年4月18日
- 読了日 : 2013年4月18日
- 本棚登録日 : 2013年4月18日
みんなの感想をみる