暴走する国家 恐慌化する世界―迫り来る新統制経済体制(ネオ・コーポラティズム)の罠

  • 日本文芸社 (2008年12月18日発売)
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感想 : 27
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「アメリカ発の金融恐慌で、国家は暴走し、世界は新統制経済体制に突入する!世界帝国アメリカの凋落と勃興するロシア―。ドル亡き後の世界で、国家、そして民族は、どのように変貌するのか?」やっぱり面白い。

この本は副島隆彦さんと佐藤優さんの対談本になります。僕が副島さんの本を読み始めたのは確か大学時代からで、けっこうぶっ飛んだことを言う人だったなあというイメージだったんですが、彼の予測がずばずばと現実になるというのを見て、驚いたことを覚えています。今回久しぶりに彼の本を読んで、時制などは少し早いんですが、恐ろしいほど現在の世相と合致している部分があって、今回もやはり、驚かされました。

2008年に出版されたものなんですけれど、まったく古びていません。そして、対談の相手は「外務省のラスプーチン」こと佐藤優。面白くないはずがありません。彼の卓越したロシア分析と、ロックフェラーやロスチャイルドなどの「世界を牛耳っている連中」の話から、ユーラシア大陸で火種を現在も噴出し続けている民族問題。さらにはリーマン・ショックに端を発する金融危機を精緻に解説する語り口は知的好奇心を満たすには十分でした。

ここに書かれている金融や、ユダヤ人の内在的論理「ラチオ(合理)」と「リーズン(理性)」が行き過ぎると強欲と拝金となる。この一節に出会えただけでも、この本に出逢えた価値があったかと、個人的にはそう考えます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2012年1月28日
読了日 : 2012年1月28日
本棚登録日 : 2011年12月26日

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