本書は大ベストセラー『日本人の知らない日本語』の第3巻目です。笑って学べる日本語コミックエッセイとして有名な本作はついに桜の季節に先駆けて「祝! 卒業」編ということで彼ら彼女らのその後が垣間見えます。
大人気を博した『日本人の知らない日本語』の第3弾になります。僕は今までのシリーズを全て読んでおりまして、今回は『卒業編』ということで、あの人気キャラクターたちの『その後』の様子が伺えます。
物語の構図はもはや鉄板で、学生たちの繰り出す『日本人には想像もつかない日本語の解釈』をなぎこ先生が優しく解説するというものですが、改めて読んでみると、手紙の書き方にはじまって、部屋に入る際のドアの開け閉め。さらには日本と他の国でも数を数えるときの指の示し方まで、本当に日頃何気なく行っていてもここまで違うものかとページをめくるたび、本当に新鮮な驚きに溢れておりました。
合間合間に1コマで記されている「~人が日本ではじめてみたもの」というコーナーも面白く、例えばスウェーデン人のエレーヌが見たものはビールの自販機で、彼女いわく『スウェーデンでお酒を買おうと思ったら政府直轄店で平日6時までに行かなくてはなりません 店は少ないし土曜は昼一時まで』なんだそうです。本当になるほどなぁと思ってしまいました。
ハイライトは卒業のシーンでなぎこ先生の勤める日本語学校が学生が一律に卒業するということは必ずしもないのらしいのですが、思い思いの民族衣装で出席する学生などがいて、このシーンは感動的でした。彼らの卒業後の活躍ぶりがちらりと描かれているので、そこを見るのも面白いわけですが、全体を通しても『異文化コミュニケーション』という点で、さらにエッセイコミックとしても面白いものですので、よろしければ一読をと願ってやみません。
- 感想投稿日 : 2013年4月19日
- 読了日 : 2013年4月19日
- 本棚登録日 : 2013年4月19日
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