本当にあった特攻兵器、人間魚雷「回天」の物語。「窓がなく、いつ激突するのか、死ぬことは決まっていても死ぬ瞬間はわからない」という表現で戦慄した。戦争の悲惨さを伝える作品というよりも、主人公が言い残した通り「回天の存在」を伝える物語。オチもまとまっているけれど、休暇から基地へ戻る時の美奈子と並木のやり取りがこの作品のハイライトであり、戦争の悲しさを一番物語っていると思う。
さすが横山秀夫と呼べる作品。胸中の表現がいちいち刺さります。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2014年3月18日
- 読了日 : 2014年3月18日
- 本棚登録日 : 2014年3月18日
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