現実的で非情な作品。まさに建前を気にする日本人らしさを如実に表した作品で、皮肉たっぷりの家族小説。
大きな志があったわけではなく、立派な両親からそのプライドだけを継いでしまった母親とその息子と、「下流」と捉えられた息子の彼女。それと一流の男性と結婚することだけを目標とした娘。なんともありがちで、スケールの小さな家庭かと思ってしまう。
自分の不遜さに気付かないままストーリーが終わっていき、救われない人を見ているようで、愉快とも、いっそかわいそうでもあった。何より最後の孫への期待はなんとも皮肉たっぷり。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2016年8月3日
- 読了日 : 2016年7月30日
- 本棚登録日 : 2016年8月3日
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